Lync 導入のメリットとは?
私個人がLyncを始めて使用したのは、Lyncという商品名すらさえなかった、Microsoft Office Live Meetingの頃からです。当時私は外資系ソフトウエア企業のカスタマーサービスにて勤務していました。その時にUSの本社と文字通り毎日電話会議をしていました。そこで始めてLive Meetingを利用していました。
画面を共有しながら打合せを実施することが出来るという点において、それほど英語が得意でなかった私としては、打合せに先立ち説明に必要な資料を用意し、画面を共有しながらの説明が出来るという点において、おおいに感動したことを今でも覚えています。そんなことはどうでもよいのですが、今回はLyncのROIについてです。
Lyncの導入に関しては、最近はOffice 365のパッケージのうちの一製品として、そのまま使い始めるため、実はROIについてはそれほど議論がされずに利用が行われているのではないかと思われます。
Lync Onlineはそのままでも、社内でのIMは勿論のことパワーポイントやエクセルを共有しての音声、ビデオ会議をそのまま利用することが出来るので、あまり詳細に分析をしなくても利用用途や効果は、IT管理者だけのみならず、経営陣にもわかってもらえるのではないかと思われます。
一方、Lync Serverとなると、MicrosoftはPBXとのつなぎこみによるIP電話化によって、電話代のコスト削減が出来るということもLync導入のメリットとしてうたっています。
ここではLync OnlineとLync Serverの導入時におけるROIについて日本国内およびアメリカにおける論調について何回かにわけて記載(10回ぐらいかな?)を行っていきます。
まずですが、先日3月11日の
Lync Interact Japanにおいて日本マイクロソフト株式会社のエンタープライズ アンド パートナービジネス事業本部 ビジネスプロダクティビティソリューション営業部の佐々木美恵部長から、日本マイクロソフト株式会社が推し進めるワークスタイルの中でLyncがどのように活用されているかについての説明がありましたのでこの説明から行います。(LyncのROIそのものの説明では無いです。)
マイクロソフト日本法人の在宅勤務制度
2012年7月1日から在宅勤務に関する制度が再度、制定されたようです。これによると、週に3日までは在宅勤務が許されるそうです。在宅勤務時の労務管理としては、下記のような規則ることが説明されていました。
在宅勤務の開始・終了
・在宅勤務者はメール・電話・Lync等の方法により上司、関連するチームメンバーに報告する。
連絡
・在宅勤務者は、Lyncを常に軌道させ、いつでも会社、上司、チームメンバーと連絡がとれる上体にしておく。
・上司は必要に応じ、部下にメール・電話・Lync等で連絡を取る。
業務予定の公開
・在宅勤務者は、上司がいつでもスケジュール(outlook)を確認できる状態にしておく
報告
・在宅勤務を行った日の始業・終業の時刻、労務時間、休暇時間を所定のタイムシート、MS Vacationに入力し、会社および上司に報告する。(通常の勤務と同様)
上記のような内容のもと新しく始まった勤務制度ですが、部署によってはほとんどまったく出社せず、毎日自宅勤務という方もいらっしゃるようです。
在宅勤務となると、心配されるのが、社員の業務の効率が落ちるのではないという点です。しかし、営業部署についてとなると、下記のような結果が出ているとのことです。
2011年度と2013年度の比較
各種のデータが公表されていました。
受注額 +27%
商談単価 -15%
商談数 +47%
かつ社員数は2%ほど減っているとのこと。
つまり、数字上は、在宅勤務を実施することで、一人あたりの商談数を増やす形で成長が維持できているようです。
Lyncはこのようなワークスタイルの中で、中心的な役割を担っているとのことでした。
確かにMicrosoftは既に非常に優れた商品、卓越した販売モデル、長年培われた社内オペレーションがあるため、優れた社員のみを社外から集め、その中でも優れた社員だけが残る人事システムがあるため、このような結果が出せているのかもしれません。業務の中身としても、営業なら営業なり、製品サポートならサポートなりに、創造性がアウトプットの中で締める割合が高いと思われます。
私は外資系ソフトウエア企業 → 日本企業 → 現在の会社を起業という経歴をたどっています。その経験からすると、恐らくこのような制度は全ての会社で果たしてマイクロソフト日本法人のような結果を出せるのかについては疑問が残るところではあります。
「Lync導入のROI②」へとつづく
フェアユース株式会社 代表取締役 足立洋介