2017年2月4日土曜日

Skype for Business Onlineはどこまで安全なのか?④同一テナント内で複数の企業利用


企業ユーザの中には、グループ企業で全体で一つのテナントを御利用になられるといったケースも中には御見受けしています。先日ある外資系金融企業のある事情をおうかがいしました。その企業は国際的に非常に有名な金融機関で、本国にグループ企業各社があり、また日本にもそれぞれの支社があるとのことです。実際、日本でも10社近くの関連企業があり、日本国内ユーザ数は2万以上になります。本国のHead Quaterから本国は本国で一テナント、日本は日本で一テナントで運用するようにとの指示が出たとのことです。


Office365ではそもそも同一テナントで複数ドメインを登録することを可能としています。これはグループ企業での運用等に配慮した結果です。


ここで問題になる点は、日本国内に10社近い会社が存在しているので、基本的には別会社なのに、Skype for Business Onlineとしては同じ会社もしくは一の会社としてのコミュニケーションが出来てしまう点です。主要3社はほぼほぼ同一の業種ですが、中には金融グループにありがちな、投資目的で傘下に収めている全く金融と関連の無い企業もあります。まあ、たとえ話としてあえて挙げるのなら、ウォーレン・バフェットの投資ファンドのバークシャー・ハサウェイ社が鉄道で有名なBNSF鉄道を傘下に有しているようなものです。


基本的には日本の金融庁は一つ一つの会社ごとに管理を任せ、問題発生時の報告義務を課しています。ただし、業務内容や運用も異なる企業グループが日本の金融庁のガイドラインに沿った形で同一テナント内で運用が出来るかについては、大変興味深く、見守る必要があります。


なぜならば、Exchange Onlineのアドレス帳、SharePoint Onlineのユーザプロファイル検索、Skype for Business Onlineの社内連絡先検索等にて、実質的には別会社で、まったく異なる情報セキュリティ運用を実施する他社と簡単にコミュニケーションが出来てしまうことになるからです。


フェアユース株式会社 代表取締役 足立洋介

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